愛知県東海地震・東南海地震・南海地震等被害予測調査(平成23-25年度)
被害予測モデルについて

過去地震最大モデル

  • 南海トラフで繰り返し発生している地震・津波のうち、発生したことが明らかで規模の大きいもの(宝永、安政東海、安政南海、昭和東南海、昭和南海の5地震)を重ね合わせたモデルである。
  • 本県の地震・津波対策を進める上で軸となる想定として位置付けられるものであり、「理論上最大想定モデル」の対策にも資するものである。
(解説)
 南海トラフでは約100〜200年の間隔で大地震が発生しており、昭和東南海地震(1944年)、昭和南海地震(1946年)が起きてから70年近くが経過しており、南海トラフにおける次の大地震発生の可能性が高まってきている。そうした中、南海トラフで発生している地震のうち、既往最大と言われる1707年の「宝永地震」(M8.6)をベースに、1854年安政東海(M8.4)、1854年安政南海(M8.4)、1944年昭和東南海 (M7.9)、1946年昭和南海(M8.0)の揺れや津波高を網羅できるように設定したモデル「過去地震最大モデル」を設定した。


【補足】
理論上最大想定モデル

  • 南海トラフで発生する恐れのある地震・津波のうち、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震・津波を想定。千年に一度あるいはそれよりもっと発生頻度が低いものである。
    (※国が平成24年8月29日に公表した「あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震・津波モデル」。)
  • 本県の地震・津波対策を検討する上で、主として「命を守る」という観点で補足的に参照するものである。
(解説)
 国は、戦後最大の甚大な被害をもたらした平成23年3月の東日本大震災を教訓として、これまでの想定をはるかに超える巨大な地震・津波として、「あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震・津波」を想定し、「命を守る」ことを基本として、被害の最小化を主眼とする「減災」の考え方に基づいて、対策の基本的な方向性を示している。本県においても同様に、特に「命を守る」という観点で想定外をなくすことを念頭に地震対策を講じることが不可欠であることから、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震・津波モデル「理論上最大想定モデル」を設定した。

平成26年7月
愛知県防災局防災危機管理課